姉の出産
姉が初めて出産したときの話 3
長男が3歳になる前に父が肺がんで他界した
最後のお正月を自宅で過ごした父、姉と私は父とずっと一緒にいた
姉と一緒に夕食の準備をしていた時のこと
ダイニングテーブルに座した父、その父に背を向けるように台所に立つ私たち
姉が父に言った
この子はさ、きっとパパのことを覚えていないんだろうなって考えたら、それってすごく悲しいよね。
こんなに可愛がってもらっているのにね。覚えていてほしいって思うけどまだ3歳だもんね・・・。
父が静かにやさしくに言った
覚えていても覚えていなくても、心から愛していたって伝えてやってくれ。
私はまな板の上で野菜を刻みながら涙を抑えられなくなった
ボロボロと涙がこぼれ落ちて野菜なんて見えなくなった
横を見たら、唇をかみ締めながら涙で顔を歪ませている姉がいた
父との別れが本当に本当に迫っている・・・
惜別の念というものを初めて知った気がした
父が他界した後しばらく経って
長男はおもちゃ売り場で駄々をこねてプラスチックの携帯電話をまんまとゲット
帰宅途中の車の中で早速開封
そして、「もっちっちー おおパパでしゅかぁ?」と上機嫌で独り言
訳して「もしもし、おじいちゃんですか?」
「おおパパとお話してるの?」という姉の問い掛けに、「ん!」と長男
パパ!この子はパパのことを覚えているよ! 覚えているんだよ!
涙が出た
こんな得難いSTORYを数々生んだ姉の長男、私の甥っ子
可愛くってしょうがない、愛おしくってしょーがない!
君のお陰で見えた世界がありました
知り得た想いがありました
私はこの先も君に感謝をするでしょう
君にまつわる色んな話、私は忘れはしないでしょう
生まれてくれてありがとう!
生まれてくれて、ありがとう。
ちなみに甥っ子の外見はどこから見ても姉より私に似ています
DNAの配列が近いのでしょうか?
彼にとってはあまり好ましいとは思えないのですが・・・
まっすぐまっすぐ育ってね
たくましい人に育ってね
いつか愛する人を全身全霊で守ってあげられる、そんな立派な男になってください
姿勢を正してさっそうと真っ向から社会や世界に対峙する、そんな雄々しい大人になってください
君の人生を私は心から応援します
アウレリア









