「 姉 の 出 産 」
姉が初めて出産したときの話
記憶の中だけにとどめずに、言葉で残しておきたいと
姉は35歳で長男を出産した
初めてのお産
嫁いでからは遠く離れて暮らしていたが、お産に備えて実家に戻ってきていた
父や母との生活はお互いにストレスが募るらしく、結構なバトルが日々展開されていた
傍観者の私としてはこれが結構楽しめた (ごめん;)
食べ物の好みが変わり、体型もどんどん変化していく
そんな姿を見て、私は
世の中には「男」と「女」と「妊婦」という3性が存在する!としきりに思った
だって、なんでみんな妊婦のお腹を触るのだろう?!
普段は女性のお腹なんて触っちゃいけないものでしょ?!と
ん~ 不思議な現象だな、と
臨月に入ると益々ままならなくなった体に姉はストレス三昧
自分の体なのに自由が利かない! 思うようにならない!
想像はできるとも代わってあげられない
ただし、「お風呂に入ると静かになるの」と
どんな子供が生まれてくるのだろうと毎日思いを馳せていた
いよいよ陣痛が始まり、みんなで囲んでいた夕食の席は一転して無いものに
実は私はたまたま帰省して、本当にたまたまそこに居合わせた
母・姉・私の3人で病院へ
父が「送っていくぞ」と言うと、母は「事故でも起こしたら大変だからパパは留守番!」と早口でザックリ切り捨てた・・・不謹慎だが思わず笑いがこみ上げた
病院に到着、ベッドに横たわり苦痛で顔を歪ませる姉の脇には2台の心電図
母子の心電図はシンクロしていると勝手に思っていた私
比べて見たら鼓動の速さやリズムが違う
あーそうか、本当に一つの確固たる命がここにあるんだな、
私の心にずっしり響いた
分娩室に入る姉の手を、その間際まで握る母
「がんばんなさいよ!ね!」それしか言葉にできない母
私はどこか冷静で、その状況を客観的に眺めていた
分娩中は母と二人でずっと廊下で待っていた
座るベンチや椅子も無く、ただひたすら立って待っていた
母を休ませたくて「何かあったらすぐに呼びに行くから向こうで座って何か飲んできたら?」とすすめても、母は「気が行かないからいい」と言って、ただひたすらそこで待っていた
時おり二人でしゃがみ込みながら
どのくらいの時間が過ぎただろう
いきなり分娩室の扉が勢いよく開くと、看護師さんが走って出てきた
バタバタと脇目もふれずに私たちの前を通り過ぎ、しばらくするとまた戻って行った
アウレリア










